■ ジョンは三男？それとも次男？
目が覚めたら、王子様がカエルに変わっていた…
ジョンが次男と公式に設定されたと知った時、私はまさにこんな気分でした。
三男のジョンはどこに行っちゃったの？と。
1999年にイギリスでTBの再放送が始まった時、
有頂天になって公式サイトを見ていた私は次の瞬間、目を疑いました。
…ジョンが2040年生まれでバージルが2041年？
最初は本気で誤植だと思いましたが、いっこうに訂正する気配がありません。
そのうち日本のメディアでも次男と取り上げられ、挙げ句の果てには
日本版公式ページで三男設定と比較した正誤表まで出る始末。
一体全体、なんでこんな事態になったのか。
つい最近になって、やっとことの顛末が分かりました。
1965年のイギリス本放送当時から30年以上の間、ジョンは公式に三男でした。
でも実は、本放送前の設定では次男だったんです。
だからオープニングの出番もスコットに次いで２番目。
ところが、1966年にイギリスで発刊されたファーストアニュアルには何故か
三男と明記してありました。
そして、それに誰も議論を差し挟まないまま、
ジョンは三男として世間一般に知られるようになったのです。
これを受けてか、二作目の映画ではジェフの持つアルバムの中で、
登場順がバージルに次いで、３番目になっています。
そして新しく権利を取得したカールトンは、今現在が当初の年代設定に近づいてしまったり、
本放送の後に実際に起こった出来事などもあって、いろいろな意味で、
新世紀に向けての再放送で、年代設定の見直しを行いました。
その際に当初の設定を参考にしたために、このような結果になったようです。
でもジョンは三男だったはずです。
二人の兄と二人の弟に挟まれた、兄弟の真ん中です。
そして、そのジョンをベースに、もう何年もキャラクター象を作り上げてきたのに、何で今更？
当初は怒りさえ覚えました。
ジョンが公式に次男とされたことへの三男派のやっかみだと、自分でも思っています。
これからはTBが広まっていくにつれ、次男のジョンが幅を利かせてきます。
しかも古来のTBファンでもメカに傾倒した男性等は
「今度のはジョンが次男になったのか、ふーん」程度の認識しかないでしょうから、
こんな風に目くじらたてているのは、私のような、
古くからのTB好きのくせにメカではなくてキャラクターに入れ込んで、
しかも一番目立たないジョンを第一のお気に入りに選んだ、というような
ごく少数の変わり者だけです。
では、ジョンは本当は三男と次男、どちらなのでしょう。
映像からスコットが長男、アランが末弟であることは読み取れますが、
その他の三人に明確なヒエラルキーは存在しません。
見る人の感情次第で、兄弟は容易に入れ替わります。
新世紀目前になってある日突然、三男から次男になったジョンについて、
「今まで三男だったのに、何で次男？」という声は上がっても、
これこれこうだから絶対に三男なのに、次男じゃ筋が通らない、
という議論はありませんでした。
と同時にこの40年間、三男だったジョンに対して「明らかにジョンは
次男でなければおかしい」という声も上がったことはありませんでした。
私自身、TVエピソード全話、映画2作も見ましたが、
ジョンが三男であらねばならない映像上の表現は見つけられませんでした。
そして、次男派の方からこう見えるから次男だ、というお話を伺っても
それが次男であることの証明だと論理的に納得できたこともありませんでした。
ジョンは三男か次男か。
それは明確な証拠のない、見る人の印象に根ざした、文字通り、双方、永遠に相容れない問題です。
私が平均寿命を全うできたとしたら、その頃にはジョンの次男の歴史が三男よりも長くなります。
でも、そうなっても、きっと私はTB好きの友人にこう言っているでしょう。
「やっと次男のジョンの年月が三男よりも長くなったわね。
でも、やっぱり私の中では、今でもジョンは三男なのよ」って。
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