ジョンは自室のベッドの上で、暗い天井を見上げた。
今日は単なる昨日の続きだ。
でも、明らかに昨日とは違った一日だった。
いい年をした大人の誕生日だ。
プレゼントがあるわけでも、ろうそくの立ったケーキがあるわけでもない。
ただ、この年になったからこそ感じられる想いで溢れていた。
おばあちゃんとキラノ、ティンティンは夜まで内緒だとウィンクしながら、
夕食にジョンの好物を作ってくれた。
食後のBGMはジョンのリクエストをきいたバージルのピアノ・ソロだった。
アランがそれをパネルの中で笑いながら聞いていた。
突然、ゴードンが乾杯の音頭をとり始めたときは、皆、慌てて手近なグラスを掴んだ。
言い出した本人ですら、手にしていたのは食後のコーヒーのマグカップだったし、
スコットが掲げたのは近くのテーブルに置いてあったスポーツドリンクのボトルだった。
それでも皆、ジョンのために声をそろえてくれた。
人はこれをささやかな幸せと言うのだろう。
でも、自分を気にかけてくれる人がいて、その人達が手の触れられるところにいる。
それが自分にとっては何よりも幸せだ。
そして、その大切さに気付くことの出来た自分を幸運だと思う。
「誕生日、おめでとう」
皆の声が耳のなかでこだまする。
ジョンは静かに微笑んで眼を閉じた。
■ Note
ぷらりんさんのサイト『LJ』のジョンの第2回お誕生日祭りに
参加させていただいてしまいました。
去年はジョンを誕生日に宇宙に放り出してしまったので、
今年はその埋め合わせに家でお誕生日を、と思ったまでは良かったのですが、
トレーシー島オールスターキャストは、はっきり言って私の手に余りました…。
キラノはつい最近『108のお題』で描きましたが、
ティンティン、ブレインズ、ジェフは十数年ぶり、
おばあちゃんにいたってはこれが初挑戦です。
従って当然のことながら、どの人物も
「誰だかはわからなくはないけど、でも誰よ、これ!」状態。T_T;
しかも背景やあしらいに妙にディズニー入ってるし…。
また、駄文なしでは強烈に不可解なイラストになってしまいました。
特に、スコット。
乾杯してる風なのにペットボトルなんてあまりに間抜けな図で、
スコット・ファンの方、申し訳ありません。
意図しない乾杯が突然起こったこと、そして皆、それに心から同調したことを表現したくて
こんな構図になりました。
あと、本当はジョンにパジャマを着せようと思ったのですが、
絵的に今一つだったので、やめてしまいました。
でも、ジョンが裸で寝ているというつもりではないです、一応…。
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