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正直に言いますが、小さい頃、私はサンダーバードが嫌いでした。
あのパペットの半開きの口やひっきりなしにグラグラ揺れている頭、
膝が垂直に上がる歩き方が、幼い私には気持ちが悪くて仕方なかったのです。
そして成長するにつれて和製アニメーションにどっぷり浸かっていった私は、
サンダーバードの存在をすっかり忘れていました。
そんなある日、アニメ雑誌を立ち読みしていた本屋で、
すぐ隣にあったサンダーバードの特集本が目に止まりました。
そういえば昔、こんなのもあったわよね…と思いながら薄っぺらいその冊子を手にとり
表紙の写真を見た途端、私の目は一人の人物に釘付けになりました。
その写真はサンダーバード関連の本には必ずと言っていいほど載っている、
ペネロープ邸での国際救助隊の集合写真でした。
そして、私が両手で本を握りしめて凝視していたのは
一番右端で椅子に腰掛けている金髪のキャラクター…。
こうして私はスチルのジョンに一目惚れしたのです。
その頃、周りにそんな大昔の外国製パペット番組に入れ込んでいる友人などいるはずもなく、
それ以来、私は一人でジョンのイメージをこねまわしてきました。
事実、つい最近になってサンダバード関連のサイトを拝見させていただくまで、
かなり長い間、サンダーバードのファンなのにメカではなくてキャラクターが好きで、
しかもスコットやバージル、アランならいざ知らず、
よりにもよって一番出番の少ないジョンが好きなんていう変わり者は
この世の中で私だけだと思っていました。
こうして何年も勝手にジョンのイメージを造り上げてきたせいか、
設定で言われている事実は踏襲しているものの、
それ以外の部分で私のイメージするジョンは世間一般に持たれている印象よりも
かなり欠点の多い人物になってしまいました。
無口で控えめなのは生い立ちに起因していて、
冷静で表情をあまり変えないのは、どちらかというと感情表現が苦手だから。
整った容姿や億万長者の息子というバックボーンにその性格が災いして、
人を見下しているというあらぬ誤解を受けたこともあります。
学生時代はミーハーな追っかけはいたけれど、
その実、チームスポーツで華々しくリーダーシップを取るスコットや、
陽気で人当たりのいいバージルの方がよっぽどもてましたし、
水泳で並ぶもののいないほどの頭角を現していたゴードンや、
誰にでも屈託がなく目立ちたがり屋のアランの方がずっと人気者でした。
ハイスクール時代にはやっと相思の恋人ができたと思えば、
その後、強烈な失恋を経験していたりします。
そんなジョンが本当に自分自身を認めて、自信を持てるようになったのは大学に入って以降。
そして現在、20歳を裕に過ぎてなお母親の死を引きずっているし、
そのために幼い頃アランの誕生日を心から祝ってやれなかったことを、
今でも負い目に思っています。
そのかわり、彼は家族も含め、自分の周囲の人々を誰よりも愛しています。
自分の何を差し置いてもまず人のために尽力する、完璧な利他主義でもあります。
普段は目立たないけれど、いざという時にその存在の大きさを誰もが認識する、
私のイメージするジョンはそんな人物です。
また、一般的に設定されている内容については、
個人的に1992年発行のジョン・マリオット著「Thunderbirds Are Go」
（邦訳「サンダーバード―オフィシャルエディション」）を全面踏襲しています。
そのため、このサイトの中のジョンは三男で2001年10月28日生まれ、蠍座の25歳です。
サイト名の「Al-phard（アルファルド）」は海蛇座のα星から取りました。
アラビア語で意味は「孤独な者」、周囲に見える他の星がまばらなことからついた名前です。
橙色に輝き、別名「Cor Hydrae（蛇の心臓）」ともいいます。
約２等星のあまり明るくない星ですが、これは地球から177光年も離れているから。
実際の明るさは同スペクトル・クラスの牛飼い座のアルクトゥールス、
牡牛座のアルデバランを凌ぎます。
もちろん、望遠鏡で見れば周囲に沢山の星が輝いているのも見えます。
一見、目立たないけれど、本当はとても輝いていて、
孤独に見えても沢山の人が彼を慕っている。
このイメージが私のジョンを現しているように感じたので、
この星の名前をサイト名に決めました。
このサイトに掲載しているイラストやそれにつけた文章をお読みになって、
きっと多くの方が「こんなのジョンじゃない…」とお思いになるでしょう。
もしそう思われたら、そしてそれ以外でも、
このサイトをご覧になって感じられたことがありましたら、
是非、お聞かせください。
イラストの批評は勿論、サイトの印象やご自身のイメージなさるジョンとの差異など、
どんなことでも結構です。
メールでもBBSに書き込んでいただいてもかまいません。
どうぞ、思うところをお聞かせください。心からお願いいたします。
そして最後になりましたが、どうぞ、いらしてくださった全ての方が
このサイトを楽しんでいっていただけますように。
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