突進してくるガードを細身の体がひらりとかわした。
その足を止めようとするコーナーバックをあざ笑うかのように、
つかみかかる腕から紙一重ですり抜ける。
影はそのままゴールラインを駆け抜けた。
右腕を突き上げた姿がチームメイトの手荒い祝福でもみくちゃになったその時、
ハーフタイムを告げる笛が鳴った。
ロッカールームに引き上げるチームメイトの波の中で、
ジョンはヘルメットを取ると同時に安堵にも似たため息をついた。
まだ弾んだ息が収まらない。少なくとも25ヤードは独走したはずだ。
無謀な賭けだ。
結果的に成功したからいいようなものの、今頃、監督はカンカンだろう。
だが、ここで点差を縮めておかなければ後半につながらない。
今朝になってエドワーズの欠場が決まったのを差し引いても、
12点のビハインドはクオーターバックである自分の責任だ。
ジョンの背中を通り過ぎるチームメイトがポンと叩いて行く。
がっしりとしたチームメイトとくらべると、
その長身もあいまって、ジョンの姿はプレー中とは打って変わったほど華奢に見えた。
ジョンはチームメイトに笑い返した。少なくとも一矢は報いた。
さあ、試合はこれからだ…。
■ Note
20年以上も一人でイメージをこねまわしていたために、
ジョンを素直に勝ち組にできない私がここに…。スミマセン…。
これはぷらりんさんのジョン評「スポーツ万能」を読んだ時に勝手に、
いや、アメフトいけるんじゃない?などと考えたのがきっかけです。
結論から言って、やっぱりアメフトはジョンに似合わない…というより、
私の描くジョンではつじつまが合いません。
情景が瞬間的に思い浮かんで一応、絵にはなりましたが、
描いたものを見ながらバックボーンを考えてみると、いつもながら矛盾が続出。
ここで描いたジョンは20代前半のつもりなので、若くてもハーバード大生です。
背景の群集はスタジアムをイメージしているので、
レクリエーション的なスポーツ大会ではありません。
大学のフットボールチーム所属というのがこのイラストについては一番的を得た説明だけど、
彼が大学時代、本格的にアメフトに入れ込んでいたとは到底、考えられません。
大学卒業後とすれば、あの背景だとプロリーグです。
パラレルワールドなら無理をして考えてみなくもないけれど、
基本設定に忠実であることが信条なので、このイラストは論理的には成り立ちません。
…やっぱりジョンにアメフトは似合わなかったか…ちぇっ。
実は、アメフトについてもほとんど知識がないまま、勝手に描いてしまいました。
アメフトにおける12点差というのが決定的なものなのか、軽いギャップに過ぎないのかも知らないし、
もしかしたらクオーターバックはあんな背番号はつけないだとか、
選手はフィールドではヘルメットはとらないなどという、致命的な間違いがあるかもしれません。
もしお気付きの点がありましたら、是非お教えください。
し・か・も…
問い:これは誰ですか?
答え:金髪碧眼だからジョンです。
制服を着ているわけでもなく、ジョン特有の髪型が見られるわけでもなく、
いったいこの金髪青年のどこがジョンなのやら…。
せめて背景がTBに縁りのあるものだったり、他の兄弟がどこかに描いてあるなら、
少なくとも「ああ、TBを題材にしたかったわけね」と考えていただけたと思うのですが…。
あー、前後のチームメイトはモーション・ブラ−がかかっているのに、
ジョンは飛び散った汗が制止して見えるほどの高速スチルなのは、
イラスト故のお遊びということで。
ちなみにハーバード大学にもフットボールチームがあり、遠征などを行っているようです。
実力のほどは知りませんけど…。
|